憲法リテラシー・応用編 第1回「統治構造」の後記

2026年5月17日、1年5ヶ月ぶりに憲法リテラシーのLIVE配信をしました。初回は2022年5月だったので、もう4年も経っている。それから、4シーズンやって参加者はおそらく延べ500人くらいだと思う。1億2千万人の有権者のうち500人。たったそれだけと考えるか、最後の氷河期に数千人にまで減ってしまったのに絶滅しなかった人類の状況よりはまだマシだと考えるか。

憲法は法律ではなく、人類の失敗の歴史から生まれた技術だ。あるいは、日本文脈で言えば、進駐軍が作ったかどうかという小さな論争に押し込めようとしても、憲法はその枠を内側から飲み込んでしまう。なぜなら、それは人類史的な仕組みだからだ。

ヒトが2人集まれば、社会が生まれる。社会が生まれれば、力(power)が生まれる。力が生まれれば、それはしばしば濫用される。しかし、力の濫用は、やがて集団そのものの生存を脅かす。だからヒトは、共に生き延びるために、決まり事(rule)を作り始めた。しかし、その決まり事を力を持つ者だけが作るなら、社会は、少数の支配者と多数の被支配者へと固定されるだろう。

憲法の最も大きな衝撃は、自分たちを統治する仕組みを統治される側が作ったということだ。言い換えれば、憲法の最大の特徴は、統治する側と統治される側が、実は同じ人たちだということだ。だから、憲法の核には、人々を守るルール(人権)がある。そして、そのルールが破られにくくなるよう、権力を動かす仕組み(統治)が支えている。

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人類が憲法という仕組みを手にしたのは、せいぜい200年ほど前にすぎない。人類史をいつから始まったと考えるかは幾多の説があるが、我々のDNAの1〜2%に痕跡を残すネアンデルタール人の時代から数えても約40万年。つまり、人類史の99.95%には憲法がなかった。横長の年表にすれば、憲法があるのは右端のほとんど見えない線だ。

人類は、力の暴走による失敗、挫折、破局を繰り返しながら、ようやくこの憲法という仕組みに辿り着いた。
それを壊すのは簡単だ。だが、人類はそれを作るのに、40万年近くかかった。作り直すのは、おそらく簡単ではない。

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参加者の感想、ご意見など

第1回【統治構造】の内容は、下記のようなものでした。全6回の中で総論的な位置を占めるものです。

 ◾️統治はRULE
 ◾️憲法の設計図
 ◾️日本国憲法 前文
 ◾️日本の症状(1)
 ◾️危機モニター
 ◾️閣議決定とは何か
 ◾️独裁とは何か
 ◾️現代的独裁
 ◾️日本の症状(2)

下のグレー地の部分は、参加者の感想です(今までに集まった限りです。受け取り次第追加して行きます)。

憲法へのあやふやだった理解が深まったし、ずっと感じていた閣議決定や独裁への疑問が晴れました。憲法を学校で学ぶ機会は本当に必要だと思うし、自分を含め多くの大人に今、必要なことだと思いました。次回も楽しみにしています。

感想1

説明を聞くほどにあいまいな『閣議決定』という慣行が日本の憲法や国会、司法の力を弱らせるために使われてきた大問題の事項であることが良く解りました。
閣議決定が無かったらここ迄自民党の悪政をのさばらせることは無かったと思います。
特に安倍政権の時代から自民党を守るために使われてきた事が大問題です。
これからもこの『閣議決定』がある限りどんどん高市の言うままに日本を変えて行かれてしまう怖さしかありません。
今の状態ではどう考えても『現実的に政権交代は不可能』です。
これを打破する方法はあるのか?
これから一緒に考えていきたいと思っています。

色々考えさせられる憲法リテラシー(応用編)をこれからも楽しみにしています。
どうぞ宜しくお願い致します。”

感想2

国民=>憲法=>政府=>法律=>国民という流れを理解していること、また、憲法は法律とは別物であるという理解も、とても大事だと改めて感じた。ずっともやもやしていた閣議決定の境界線、独裁の型、民主主義が現れる場面を、視覚的、言語的な理解をすることができて良かった。ありがとうございました。

感想3

私は現在44歳ですが、日本国憲法の前文は中学生の社会の授業で暗唱できるまで覚えさせられた記憶があります。
かなり曖昧な記憶になりますが、当時は字面を一生懸命に覚えるのみで、憲法が国家を規律するという原則やその設計などについてはそこまで詳しく教えられなかったと思われます。
今回改めて前文を読み直すことで、日本国憲法の構成要素が全て含まれている見事な文章であることに気付かされました。

主権は国民にあり、政府は国民が統治の作業を依頼している使用人にすぎないという概念が日本ではあまり理解されておらず、それが権力者への忖度や自己同一化(政府のやっていることを異常に持ち上げ、批判する人間を攻撃することで自分も権力側に立っていると錯覚する)に繋がっていると思います。

ヨシさんが仰っていたように、何千年〜何万年にも渡って積み上げられてきた人類全体の共同作業の成果が日本国憲法に込められていることを、義務教育でもっと浸透させられていたら、国民の意識も今とは違ったものになっていたと私も思います。
今回学んだことをどのように周囲に伝えていくか、難しい課題ですが考えていきます。

感想4

選挙もある、メディアもある、野党もある、憲法も残る、しかし実際には権力を止められない「現代型独裁」。現在の状態はまさにこれだと思いました。独裁と言われると、ヒトラー、神格化された独裁者、制服、敬礼、国民の熱狂、秘密警察などのイメージで、現状はそこまで酷くないと油断してしまうから、これからは「現代型独裁」を使います。

コロナが感染拡大したように、リアルの世界で、人と人との間で危機感が蔓延していけば良いのに。そうすれば気づいて変わる事ができるかもしれません。私は日本国憲法の前文を自分にインストールして、人類が積み上げた知の成果に沿った私になろうと思います。恒久の平和を。

ありがとうございました。

感想5

閣議決定について誤解していました。ここで教わらなかったら、多分一生誤解したままだったと思います。よしログさんがおっしゃった「憲法改正ないかもしれない」の言葉で、色々考えました。形だけの民主主義で実は独裁という状態になれば、それはそれで恐ろしいことだと思います。ほんとうの民主主義を根付かせるためには、やはり義務教育で教えるべきですね。

感想6

リアルタイムで見た第一回の講義の感想です。
民主主義とは権力が暴走した時止めることが出来るか。また新しい政権に後退させることが出来るか。その前提として権力者(政権)を批判できるかが重要だという事。この点はまさにその通りと感じます。

しかし現在の日本ではその前提になるメディアの権力監視としての役割が全く機能していない。
一番の問題は第二次安部政権の時メディアに手を入れ、メディアを政権の広報機関にしてしまったことです。その当時高市総務大臣の停波発言によりメディアの権力監視機関としての役割は死にました。彼女は放送法を盾に停波発言をした訳であるが、本来放送法とは戦前の大本営発表機関と化した反省の元二度と大本営発表機関にならないため、放送局自らの倫理規定として作用するものです。

放送法第1条には、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」とあり政権の広報機関になどなってはならないのです。
放送法違反と言うのであれば現在のメディアの政権広報機関と化している現状にこそ、いうべきである。戦前の過ちを戦後80年経って繰り返しているである。

もしメディアが本来の役割を果たしていれば現在の自民党はなかったことは間違いありません。
メディアが政府の広報機関であるため高市の支持率は高いままだし、憲法改正が良いことの様に言われているのです。
日テレでは憲法の最大の役割である「国家権力を縛り、市民の自由・権利を守る事」を一つの考え方と矮小化し憲法の事を知らない多くの市民を騙す事を公共の電波を使ってしています。

このような状況でどうやって政府の恐ろしさ、憲法改正の危険性を伝えていくかSNSだけでは限界を感じます。今回このシリーズで如何に改憲阻止のための現実的な策を得られるか、注目しています。

感想7

LIVE→確認テストの流れがとても良かったです。今まで憲法リテラシーに限らず、LIVEの後にいろいろ自分で考えて感想を書いて提出しても、それがどのように自分に身について、LIVEで得た知識とそれまでの自分にあった要素がどのように化学反応を起こし、新しい考えや思想の発見に繋がったか、どのような方向で活かされたか、というのが、提出後は忘れてしまって、漠然として明確ではなかったので、記録に残っていいなと思いました。大学の講義を受けてるようでいいなと思いました。春から娘が大学院に進学して、話を聞くと私もそんな勉強をしてみたいと思い、上記の化学反応の結果を先生に話してそれに講評をもらえたらどんなに豊かだろうなどと夢想しています。
憲法前文は確認テスト正解率60%でLIVE1回目は正解率100%だったので、ぼーっと聴いてるようで聴くところは聴いていたようで、次の回も頑張ります。

感想8

ありがとうございました。
いつもそうですが、頭が整理される内容でした。

・多くの人に実感がともなわない危機感をどのように伝えたらよいのか?
その点で、
「今起きているのは、(誰もが思い浮かべることのできる)20世紀型の独裁ではない」という説明にはハッとしました。
「独裁=ヒットラーやスターリンでしょ?そんな社会が今この日本で起きるわけがない」、と漠然と多くの人が思っている。ほとんどの人が「自分とは関係ない」と。
ですので、
「あなたがイメージする形の独裁ではないけど、日本で起きているのは独裁化なんだよ」
と伝えるのにふさわしい簡潔な言葉だと思います。

・教養や準備、ではなく、今まさに「いかに対抗するか?」の実践になっていて焦りがはんぱないです。そこに石油ショックも重なり、生活を守ることと、プロテストしていくことの重圧がのしかかり、たびたびフリーズしてしまいます。しかし、知らない、理解できないことが進んでいること、これが不安をより大きくすると思いますので、この講座を武器にすべきと思います。

感想9

[続く]


録画購入方法

第一回だけの録画とスライド資料を購入することが出来ます。(料金:1,000円)。

第1回用割引クーポン:

決済時に、下記クーポン・コードを記入すると、該当する割引が適用されます。
◾️note の読者用10%オフ・クーポン:OOFTJXIKZT
◾️Ray of Letters メンバー用30%オフ・クーポン:Ray of Letters メンバーの掲示板をご覧ください。
◾️LIVE メンバー用40%オフ・クーポン:LIVEメンバー専用ページをご覧ください。
なお、早割は終了しました。

全6回用割引クーポン:

全6回へ途中参加も可能です。但し、参加時に既に終了している回は「録画」視聴になります。(料金:6,000円(= 1,000円 X 6回))

◾️note の読者用10%オフ・クーポン:FFLORD4PKM
◾️Ray of Letters メンバー用30%オフ・クーポン:Ray of Letters メンバーの掲示板をご覧ください。
◾️LIVE メンバー用40%オフ・クーポン:LIVEメンバー専用ページをご覧ください。
なお、早割は終了しました。

憲法リテラシー・応用編について詳しくは、下記の記事をご覧ください。

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