これは、僕がサブスクしてるいくつかのポッドキャストのうちの一つ、Caitlin Johnstoneの記事を訳したものです。
日本のメディアはどうしようもないから、今はAIが発達して自動翻訳が優秀になってきたんだし、海外のメディアから直接情報を取るべきだと僕を含めてたくさんの人が言ってますが、最初の難問は、現実的に無限に発信されている情報から、いったい何を選べばいいのか分からないということではないかと思います。そもそも外国語が分かろうが分かるまいが、そんなこと誰にも分からない。読んでみたら、クソ記事だったり、だいぶ後になってガセネタだったと気づいたり、忖度メディアを真に受けてしまったりということは誰にでも起き得る。
情報は、味噌も糞も全部含めてそのまま怒涛のように入ってくる方がほんとはいいと思います。その全てが全体の一部なので、宝石だけ入ってくると、それはそれで歪んだ全体像を勝手に築いてしまう。しかし、現実は厳しい。”味噌・糞・宝石”3点セットの怒涛をまるごと引き受けて精査してる時間は誰にもない。だから、あくまでも僕の視点でもっとたくさんの日本の人も読めばいいなと思うものを選んで翻訳して、ここに載せようと思いました。客観的な選択基準があるわけではないです。
今日載せる記事は、Caitlin Johnstoneさんの10月29日のThere’s Only So Much Propaganda Spin You Can Put On The Murder Of Thousands Of Children というタイトルの記事です。この記事は、ガザについてですが、メディアの状況に焦点を当てています。日本にもそのまま当てはまる話だと思い、この記事から始めることにしました。記事の最後にほんの少し明るい可能性が仄めかされてるのもボーナスだし。
翻訳と書きましたが、まずDeepL とかで下訳を作り、そのままでは誤訳や愚訳や笑訳があるので、それを直しました。DeepL に限らないですが、AIベースの自動翻訳はどういう訳か、時々原文の一部をすっ飛ばしたりします。そこを埋め直したり、です・ます・である・だを整えたりします。変なとこあったら、コメント欄で教えてください。
Caitlinさんは、どこにも所属せず、ほとんど毎日ブログを書いていて、それがほぼ同時にポッドキャストになります。X(旧ツイッター)にも精力的にポストされてます。僕はたいていはポッドキャストを流しながら、他のことをしてるだけで終わりですが、これはと思うのがあれば、そのブログも読みます。では、どうぞ。
There’s Only So Much Propaganda Spin You Can Put On The Murder Of Thousands Of Children
つまり、何千人もの子どもたちを殺害したことについては、プロパガンダでごまかせることは限られているということだ。
他の帝国の軍事行動では、プロパガンダ担当者はもっと簡単に物事をごまかすことができた。悪の共産主義者が南ベトナムを占領している!我々は彼らを止めなければならない!サダムが大量破壊兵器を持っている!我々は彼を捕まえる必要がある!カダフィがリビア人をレイプして殺しそうだ!我々には彼らを守る責任がある。
ガザでは、イスラエルとその西側の支援者たちが、衝撃的なほど悪質な爆撃作戦で何千人もの子どもたちを虐殺し、近隣一帯を瓦礫に変えている。彼らは、子どもたちが密集する巨大な強制収容所に軍用爆薬を降らせているのだ。
プロパガンダにできることは限られている。
彼らは10月7日の殺害について、顔が真っ青になるまで語ることができる。しかし、人々は、ハマスが何をしたからといって、何千人もの子どもたちを殺害することが道徳的に許されるわけでも、容認されるわけでもないと異議を唱えるだろう。
「イスラエルには自国を守る権利がある」と彼らはいくらでも好きなだけ言うことができるが、何千人もの子どもたちを殺すことは、実際には誰からも何も守ることではない、と人々は異議を唱えるだろう。
彼らは「人間の盾」というフレーズを何度も何度も叫ぶことができるが、やがて人々は「わかったが、たとえ彼らが人間の盾だとしても、何千人もの子どもたちを殺すのはやめてくれないか」と言い始めるだろう。「自分の子どもが人間の盾にされたからといって、殺されるのはごめんだ。」と。
彼らは、すべての死はハマスのせいだと言うことができる。しかし、ますます多くの人々が、”誰を非難するのも構わないが、今この瞬間に何千人もの子どもたちを殺害するのはやめてくれないか “と言い始めるだろう。
「イスラエルに何を期待してるんだ?」と言うことができるだろうが、人々は 「手始めに何千人もの子どもたちを殺すのをやめてくれ、頼む、ありがとう 」と答えるだろう。
あなたがすべてを肯定的に見せようとしているマスメディアの宣伝担当者だと想像してほしい。あなたならどうするだろうか?それを信じさせることができるだろうか?
宣伝担当者は、これよりもずっと余裕を持って仕事をすることに慣れている。彼らは複雑な物語のマトリックスと扱い、それを操作して何が起こっているのか大衆の理解を歪めることに慣れている。しかし、ボロボロになった子どもの遺体を握りしめる母親の生映像は物語ではない。粉々になった街区の衛星写真も物語ではない。ただの現実だ。それはあなたの目の前にある。
宣伝担当者は、これよりもずっと余裕を持って仕事をすることに慣れている。彼らは複雑な物語のマトリックスと連動し、それを操作して何が起こっているのか大衆の理解を歪めることに慣れている。しかし、ボロボロになった子どもの遺体を握りしめる母親の生映像は物語ではない。粉々になった街区の衛星写真も物語ではない。ただの現実だ。あなたの目の前にある。
西洋文明はプロパガンダに支配されている。私たちが持っていると思っている「自由」と「民主主義」は、私たちの考え方、話し方、行動、投票の仕方を、大規模の心理操作によって操る人々によって注意深く培われてきた幻想である。チョムスキーが言うように、プロパガンダは民主主義国家にとって、全体主義国家にとってのこん棒のようなものである。マインド・コントロールされたディストピアは、私たちにとって物事がひどくうまくいかなくなった場合に人類を待ち受けている暗い未来ではない。現在すでにそうなっているのだ。
プロパガンダ主義者がこれほど効果的に文明をコントロールできるのは、人間が精神的な物語に人生を支配される、ストーリーテリングな生き物であることを理解しているからだ。つまり、人間がお互いに語り合う物語をコントロールできれば、人間をコントロールできるのだ。米国を中心とする世界規模の帝国は、マスメディアの微妙なメッセージで幼い頃から私たちを洗脳する能力に大きく頼っている。
ガザの大虐殺は、そのすべてを大きく狂わせた。というのも、ガザで得られた生のデータは、目に見えてあまりにも恐ろしいものであり、どんなに物語を紡いでも、それを容認できるようには見えないからだ。米国とその同盟国が、イスラエルが何千人もの子どもたちを殺害するのを手助けしているという事実は、物語マトリックスにおける巨大な欠陥である。
この状態が長く続けば続くほど、帝国が生涯にわたって抱かせてきたプロパガンダによる昏睡状態から目覚める人が増えるだろう。より多くの人々が、自分たちの政府がこれまで装ってきたようなものではなく、メディアも世界の真実を伝えてこなかったことに気づくだろう。西側帝国が何千人もの子どもたちの虐殺を支持するにつれて、プロパガンダが私たちの社会について伝えていることと、私たちの社会の実際の姿との間の矛盾が、明るく照らし出されていく。
ガザで何千人もの子どもたちを殺害することで、帝国はその素顔をみんなの前にさらけ出した。そして人々は、目にしたものを好んでいない。
いたるところで目が開いている。人々は記録的な数で過激化している。通りは抗議者で溢れかえっている。非常に不都合な質問が投げかけられている。以前はめったに適用されることのなかった場所で、厳格な監視が適用されている。以前にはなかった隙間から光が差し込んでいる。
これはとても恐ろしいことで、毎日毎日見ているのはとても辛い。しかし、その根底で何かが動いている。何か大きなものが。帝国は、すべての人を眠らせ、満足させ続けるという能力に取り返しのつかないダメージを与えた。健全な世界は、まだ私たちの未来にあるかもしれない。
Sun, Oct 29, 8:47 PM
© 2023 Caitlin Johnstone
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