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今回は、2025年6月5日配信の「Judging Freedom」におけるアンドリュー・ナポリターノ判事とジョン・ミアシャイマー教授の対話の日本語訳をお届けします。
原題は、”Prof. John Mearsheimer : Why the US is Threatening China”, June 5th, 2025(ジョン・ミアシャイマー教授:米国はなぜ中国を脅かすのか)と米中戦争を示唆するものですが、対談はその前に、米露関係とガザに関してもかなりの時間を割いています。下の動画で確認していただけます。
全体をロシア、ガザ、中国に三分割して、その下に小見出しを入れました。
ロシアに関しては、6月1日にウクライナがロシア領内の軍事施設と民間施設をドローンによって大規模に攻撃しましたが、その背景の話が中心になっています。この攻撃のあと、6月4日にトランプとプーチンは75分の電話会談を行いましたが、ミアシャイマー教授とナポリターノ判事の危惧した通り、現在ロシアはウクライナに対する大規模な反撃を実行中です。
ガザに関しては、ネタニヤフが行っている「戦略的飢餓政策」に対して、イスラエルを擁護してきたヨーロッパの国からさえ、ようやく否定的な声が上がってきたことが語られます。但し、アメリカ以外なのです。
最後に、本題である中国に関してですが、ここでミアシャイマー教授が20年以上主張している「中国封じ込め政策」が出てきます。ウクライナとガザの状況に関しては、ミアシャイマー教授のリアリストとしての見解は、非常にバランスが取れていて広く支持されているのですが、中国に関してだけは、ナポリターノ判事を含め、ミアシャイマー教授の意見は不人気なのです。
その大きな理由は、彼が「米国の理想は、他の地域で他国が覇権国にならないこと」という信念にあります。米国は地球の西半球の覇権国であることだけで満足せず、中国が東半球の覇権国になることが我慢がならないのです。これはリアリストというよりインペリアリストでしょう。ミアシャイマー教授の非常に興味深いところです。
東アジア人が考えるべきことは、アメリカが縄張りの外に出て振りかざす覇権癖に追随することが、自ら東アジアを撹乱する不安定要因になってしまうということでしょう。
目次
- ロシア
- 2025年6月1日のウクライナによる大規模ドローン攻撃
- 知らなかったトランプ
- プーチンに叱られたトランプ
- ロシア国内の怒り
- 軍事的インパクト
- ディープ・ステートの動き
- ガザ
- ネタニヤフの戦略的飢餓政策
- 中国
- ヘグセス米国務長官の演説
- アメリカの中国封じ込め政策
ナポリターノ判事:
皆さん、こんにちは。「Judging Freedom」のアンドリュー・ナポリターノ判事です。今日は2025年6月5日、木曜日です。親友のジョン・ミアシャイマー教授にお越しいただきました。
ミアシャイマー教授、いつも通りお会いできて嬉しいです。ご出演ありがとうございます。
ヘグセス国防長官がなぜ中国を脅しているのかについて話したいのですが、その前に、最近の国際情勢についてあなたの見解を伺いたい。
ロシア
2025年6月1日のウクライナによる大規模ドローン攻撃
ナポリターノ判事:
ロシアの軍事および民間施設へのドローン攻撃の犯人は誰だと思いますか?CIAやMI6が関与していないなんて考えられるでしょうか?
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