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この記事が発信されたのは、約2年4ヶ月前の2022年8月25日だ。オバマのシリア戦略戦争は、2011年に密かに始まっている。2011年3月、「アラブの春」に触発された反政府デモがシリアでも発生し、これに対し、オバマ政権はシリア政府がデモを”弾圧”していると非難し、経済制裁を科し始めた。それから数えると、この記事が発信された時点で11年経っている。
このオバマの論理がおかしいのは、既に誰の目にも明らかであった。逆を考えてみればいい。今アメリカのあちこちの大学で起きている親パレスチナ・反ジェノサイド運動・デモをアメリカの官憲は暴力を使って徹底的に文字通り弾圧している。この状況を見て、アメリカ政府を非難して、経済制裁を加える国があるだろうか。主権国家間には、内政不干渉の原則があり、その一線を踏み越える国家はない。普通は。
ところが、アメリカは主権国家間の内政不干渉の原則などまったく気にせず破る。それが、2011年のオバマのシリアに対する恩着せがましく高圧的な態度に存分に現れている。
このオバマの干渉がはやがて2014年9月に始まる空爆という形をとる。それから10年、シリアは、アメリカだけでなく、イスラエル、トルコ、イスラム国(ISIL/IS)、アルカイダなどが関わる泥沼になる。これは、「シリアという獲物を取り合う」という関係だと想像すれば、中国という獲物に食らいつく帝国主義国間の争いに参加した日本人にはピンとくるのではないだろうか(但し、自国の歴史を知っていれば)。
シリアの状況を見る際に最も重要なことは、アサド政権の独裁やそれに対する民主化運動は、アメリカやイスラエルがシリアを爆撃し、破壊し、人々を殺し、政権を転覆することの正当化には一切ならないということだ。それらは単に後付けのコスメティックに過ぎない。
原文情報:
タイトル:US Invades Syria, Kills People, Claims Self-Defense
著者:Caitlin Johnstone
配信日:Aug 25, 2022
著作権:こちらをご覧ください。
原文の朗読:こちらで聴けます。
アメリカが不法に占領している国でアメリカ人と現地の人々との間で激化する攻撃の応酬の中で、多数のシリア人および外国人武装勢力が殺害され、数人の米軍が負傷したと報じられている。
火曜の夜、米中央軍司令部(CENTCOM)は「8月15日にイランに支援されたグループが米軍兵士に対して行ったような攻撃から米軍を守り抜く」ために、「シリアのデイル・エゾール(Deir ez-Zor Syria)で精密空爆(precision airstrikes)を行った」と発表した。
「大統領は、イランを支持するグループによる攻撃を阻止し、米軍兵士を保護・防衛するために、第2条の権限に基づき、これらの攻撃を指示した」とCENTCOMは述べた。
イランは、空爆の標的となった部隊との関連を否定している。10人近くが殺されたと報告されている。
米軍の攻撃は、シリア東部の米軍陣地へのロケット弾攻撃を招き、人数不明の米軍兵士が負傷し、それに対し米国は、ロケット弾が発射されたと主張するシリアの車両へアパッチヘリコプターで攻撃した。米中央軍司令部は、このヘリコプター攻撃で「イランの支援を受けたと思われる武装勢力2、3人」が死亡したと主張している。
X投稿の訳:
Dave DeCamp:
シリア情勢が深刻にエスカレートしているようだ:
火曜夜の米軍の空爆は、水曜の米軍基地へのロケット攻撃を誘発し、米軍数名が負傷した。米国はアパッチ・ヘリコプターからの攻撃で応戦し、数人が死亡したと報じられている。
この記事を書いている時点では、この攻撃の応酬が続くかどうかはまだわからないが、はっきりしているのは、攻撃者が誰なのかということだ。
「アメリカはISISと戦うためにシリアにいると主張しているが、ISISと戦うことはほとんどない。「実際には、シリアから石油と小麦を奪うためであり、汚い戦争でアメリカが裏で支援するセクトの決死隊(death squads)を排撃するシリア人とその同盟国を攻撃するためだ」
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