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2025年3月18日、トランプとプーチンの電話会談が行われた。90分以上続いたと報道されている。その内容について、今アメリカのメディアは速報で伝えている。これからしばらくは、その解釈を巡って議論が続くだろうと思われる。
ロシア側とアメリカ側の発表にかなり濃度の差がある。それぞれの翻訳を以下に載せる。最後にトランプのSNS投稿の翻訳も載せている。
①ロシアによる発信
ドナルド・トランプ米大統領との電話会談
ウラジーミル・プーチンとドナルド・トランプ米大統領の間で電話会談が行われた。
2025年3月18日 20:15
両首脳は、ウクライナをめぐる状況について詳細かつ率直な意見交換を継続した。
ウラジーミル・プーチンは、敵対行為と人的損失の終結という崇高な目標の達成に向けたトランプ大統領の意欲に感謝の意を表明した。
ロシア大統領は、平和的解決に向けた基本的な姿勢を改めて確認し、包括的かつ持続可能で長期的な解決策を慎重に検討するため、アメリカのパートナーと協力する用意があると表明した。
また、危機の根本的な原因を排除する絶対的な必要性と、ロシアの正当な安全保障上の利益を考慮に入れる必要性についても言及した。
トランプ大統領が提案した30日間の停戦措置に関連して、ロシア側は以下の重要事項を指摘した:
◾️戦闘接触線全体にわたる停戦の効果的な管理の確保
◾️ウクライナでの強制動員の停止
◾️ウクライナ軍への再武装の中止
また、キエフ政権が過去に何度も合意を妨害し、違反してきたことから、交渉能力に欠けるという深刻なリスクがあることも強調された。
さらに、クルスク州の民間人に対するウクライナ武装勢力による残虐なテロ行為についても言及された。
紛争の激化を防ぎ、政治・外交的手段による解決に向かうための重要な条件として、 ウクライナへの外国の軍事援助および諜報情報の提供を完全に停止することが必要であることが強調された。
トランプ大統領が最近、クルスク州で包囲されたウクライナ兵士の命を救うよう訴えたことに関し、 ウラジーミル・プーチンは、ロシア側が人道的配慮を優先し、彼らが降伏した場合はロシアの法律および国際法に則り、生命の保証と適切な待遇を確保する用意があることを確認した。
会談中、トランプ大統領は「30日間、双方がエネルギーインフラ施設への攻撃を控える」提案をした。 これに対し、ウラジーミル・プーチンは前向きに応じ、直ちにロシア軍に対応するよう命令を下した。
また、ロシア大統領は、黒海における航行の安全確保に関する広く知られた構想についてもトランプ大統領の提案を前向きに受け入れ、その具体的な詳細を詰めるための交渉を開始することで合意した。
プーチン大統領は、3月19日にロシアとウクライナの間で捕虜交換が行われることを通達した。 交換対象者は双方175名ずつである。
さらに、ロシアの医療機関で治療を受けている重傷を負ったウクライナ兵23名を善意のジェスチャーとしてウクライナ側に引き渡すことを決定した。
両首脳は、ウクライナ問題の解決に向けた二国間の努力を継続する意向を確認し、トランプ大統領の提案を考慮しながら、ロシアとアメリカの専門家グループを設置することとなった。
ウラジーミル・プーチンとドナルド・トランプは、国際的な議題に関する他の問題についても議論した。
その中には、中東および紅海地域の情勢が含まれている。
危機地域の安定化、核不拡散と世界安全保障に関する協力が進められることとなり、これによりロシア・アメリカ関係全体の雰囲気の改善に貢献するものと期待される。
その一例として、ウクライナ紛争に関する国連決議の共同投票が挙げられた。 また、ロシアとアメリカの特別な責任を踏まえ、二国間関係の正常化への相互の関心が表明された。
この文脈において、両国が協力を強化できる広範な分野が検討され、経済およびエネルギー分野での相互利益に基づく協力の発展に向けた複数のアイデアが議論された。
ドナルド・トランプは、ウラジーミル・プーチンが提案した「ロシアとアメリカのNHL・KHL選手によるアイスホッケーの試合を両国で開催する」構想を支持した。
両大統領は、本日議論されたすべての問題について、今後も連絡を取り合うことで合意した。
(原文はこちら)
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