【本の旅-13】『無人島に生きる十六人』を読んだ。

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目次

  1. 漂流もの読書史
    • ジョン万次郎
    • フェルディナンド・マゼラン
    • フィリピン旅行
    • カナリア諸島
    • 吉村昭の『漂流』
    • モーレア島の漂流気分
    • Mutiny on the Bounty(バウンティ号の反乱)
  2. 『無人島に生きる十六人』
    • 書誌情報
    • 国威発揚の物語か?
    • 海と船と島の話
    • 生きる知恵


漂流もの読書史

昨日ウェブを徘徊していたら、青空文庫で『無人島に生きる十六人』に出会い、面白くて一気に読んでしまった。読後感が良くて、今日も爽やかな余韻が残ってる。この本をここで取り上げる予定は全然なかったのだけど、「そうだ、これこそ「本の旅」ではないか」と思い、今回はこの紹介をすることにした。

漂流文学というジャンルが元々好きだったのだけど、大人になって、もうそんな本を読まなくなって久しく、何十年ぶりかにわくわく感を思い出した。

ジョン万次郎

人生で一番最初に読んだ漂流ものは、ジョン万次郎についての本だった。小学生の頃に、おそらく低学年用に書き直されたジョン万次郎の伝記のような本だった。この本で、想像の世界が拡大され、頭の中がかなりロマン化されたと思う。大人になってから、大河ドラマの『翔ぶが如く』にジョン万次郎が出てきた時には、おーっとなった。

フェルディナンド・マゼラン

その次の漂流ものは、うろ覚えだが『死の艦隊』という書名の本だったと思う。これも小学校の時に読んだのだけど、16世紀初頭に、フェルディナンド・マゼランが試みた世界一周の航海の記録をやはり子供用に書き直したものだった。

マゼランは、史上初の世界一周航海を目指して、スペイン(セビリア)を出発して西へ西へと回り、大西洋を渡り、南米の南端を越え(それがマゼラン海峡と呼ばれるようになった)、太平洋を越え、フィリピンに到達した。でも、そこで殺されてしまった。小学生の僕は、それが惜しくてしょうがなかった。あとちょっとだったのになあと。

フィリピン旅行

大学生になって生まれて初めて海外旅行に行ったのだけど、行く先はマゼランが無念の思いで死んだフィリピンにした。中学校のサッカー部の友人と二人で行ったのだけど、その頃、僕は個人オーナーのクルーザーのチームに入っていたので、ヨットの操作は少しは知っていて、フィリピンについてさっそくヨットを借りた。旧日本軍が残した基地があるという島を目指してセーリングを始めたら、ボロいカタマランで胴(ウキになる部分)に水が満タンに入って、沈没してしまった。

幼稚園の頃まで小児喘息がひどくて、小学校に入ると、呼吸器官を鍛えるためという名目で水泳の特訓というものを毎夏やらされていたので、水泳は得意だった。小学4年生くらいまではオリンピックに出れると思っていたくらいだ(笑)。

転覆したヨットの起こし方は習っていたのだけど、どうしても起き上がらない。深い海ではなかったので、マストのてっぺんが海底の砂に突き刺さってしまっていた。

一番近い岸からは2、3キロくらいしか離れていないので泳いで帰ろうと思って、ふと友人のことを考えた。サッカーは上手かったけど、泳げるんかな。

「おまえ、泳げるんか?」と転覆したヨットの向こう側でヨットにつかまって浮いている友人に怒鳴った。
「当たり前やろ、アホかおまえ」

という会話でこの問題は解決した。
2時間くらい浮いていたと思うけど、透明な水は綺麗で、空は真っ青で、遠くのビーチは真っ白で、白砂青🌴の中に浮いているのは優雅な気分だった。

結局、地元の小さな船が2艘やってきて、みんなでヨットを立て直して、無事に帰還した。

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