これは、れいわ新選組代表の山本太郎氏が2024年1月5日と7日にXに投稿したポストを転載したものです。読みやすいように、一つのポストを一つの枠に入れたが、文言や改行位置の変更は一切行っていない。れいわ新選組に知り合いはいないので、一応HPを通して転載する旨を連絡したが、この忙しい時に返事があることは期待していない。れいわ新選組の広報にもなると思って独断でこの記事を公開するが、もし、転載不許可という連絡があれば、この記事は削除する。
他党及びその応援団と思われる人たちの批判的なコメントも読んだが、いずれも取り上げるに値する内容がなかったので、ここではそれらにコメントはしない。
山本太郎氏が現地から発信した投稿を一つの記事にまとめておこうと思った理由の一つは、記録として一般人が容易にアクセスする形で残しておきたかったからだ。Xのポストは直ぐに流されて、人々の記憶からも消えていく。1月5日に山本太郎氏が現地から第一報を送ってきたという事実とその内容は、将来、能登半島大地震への対応を検証する時、重要な情報を与えてくれる。
誤解されないように書いておくが、山本太郎氏がそんなに早く現地入りしてスゴい!という記録を残したいわけではない。1月5日というのは遅い、遅過ぎるのだ。もちろん、山本太郎氏を責めているわけではない。能登半島地震への対応が異常な事態にあるということだ。
ここからは、26年間、国際緊急救援のど真ん中にいた一人のプロフェッショナルとしての観点から書く。今の日本なら、これをマウントを取ってるとか言い出す人がいるだろうが、そもそもマウントを取るような相手が日本にいるとは思えない。
山本太郎氏のポストを読んで最初に思ったのは、SitRep(シトレップ)だった。国際機関では、Situation Report を略して、そう呼んでいる。国際機関には様々なMandatory Reports(義務化された報告)がある中で、最も簡略なものが、このSitRep になる。緊急事態が起これば、それが自然災害であれ、大事故であれ、武力紛争であれ、まずその状況を現場で知った者がその外へ知らせなければならない。ファルージャで銃撃された→バグダッドへ連絡→ニューヨークへ連絡というふうにSitRep は瞬時に流れていく。そうでなければ、ニューヨークの記者会見であたかも自分が見てきたかのように喋れるわけがない。
SitRep に厳密なフォーマットはない。要点を明確に端的に書く。それがフォーマットのようなものだ。イメージとしては、電報を思い出せばいいかもしれない(もっとももはや電報が何か分からない人も多いかもしれないが)。実際、インターネットが普及する前は、最前線で打電したメッセージをHF無線で現地本部へ送っていた。
緊急事態が発生すれば、現場からSitRepが連打され始める。何箇所も異なった地点から次々に入ってくるSitRepを見て、本部レベルでは見えない現地の全体像を把握し始める。そこで構成した全体像を現地に打ち返すことによって、物理的には個々に孤立して相互に連絡が取りにくくなっている現地の人たちの情報的な孤立を防止する。
もちろん音声通話やビデオ通話が可能なら、事態の発生段階から並行して利用される。そこから得た情報や、SitRep によって得た情報から、本部で机上の”現場”が再構成され、それがオペレーションの基礎となる。最初の段階では、いったいどのようなオペレーションが必要なのかさえ分からないことが多い。
逃げなければいけないのか?大動員しなければいけないのか?人が必要なのか要らないのか?要るならどのようなスキルがどれくらい必要なのか?必要な物資・機材はなんなのか?負傷者救援は必要なのか?緊急救援パッケージは必要なのか?救援物資の備蓄の場所、その量は?シェルターは必要か?現場へのアクセスの状況は?アクセスの法的問題は?交通規制は?道路封鎖は?現地のステークホルダーは誰か?危機は継続してるのか終わったのか?天候状況は?全体費用の見積もりは?予算はどこから?メディア対応は?政府対応は?攻撃者がいるなら、その背景は?等々、実際は数え切れないくらいの項目に不完全な情報を使ってそれぞれの担当専門家が情報を埋め、対応策を決定していく。
種類の異なる緊急事態をまとめて書いてるので分かりにくいかもしれないが、現場の状況を現地からの情報によって全速で把握し、対応策を決定していくというプロセスは、武力攻撃から人質事件、自然災害まで何も変わらない。完全な情報など最初から最後まで絶対に無い。後世の歴史家なら得られるかもしれないが。
クーデタが起きた、国家が分裂してしまった、何者かに銃撃された、スタッフが誘拐された、雪山に旅客機が突っ込んだ、地震で大量の民家が崩壊し孤立した等々、いろんな緊急事態に遭遇したが、一つとして同じものはなかった。それぞれが固有の状況の中にある。テンプレ対応がそのまま有効であるなんてことは一度もなかった。それでも、スタンダードなプロセスを構築し、システムを鍛え上げ、関係する者全てが同じ言葉を理解して動けるように準備しておくことは必須だ。その土台なしで、白紙から緊急事態に対応していては当然全てが後手後手になる。Preparedness(準備がある)というのはそういうことであり、毛布が何千枚、非常食が何千食倉庫にあるということではない。その上で、それぞれの事態に固有の対応をクリエイティブに考え出す必要がある。緊急事態は、準備すれば万全というものでもないし、行き当たりばったりでできるものでもないということだ。
政府の対応は決して遅くないという主張で、左のようなスクショがXに大量に出てきたのは、驚いた。
能登地震発生のほぼ直後、首相官邸の危機管理センターに対策室が設置されているのは、ほぼ自動的にそれができるようにマニュアル化されているのだろう。
発災4分後の午後4時15分に、首相が関係省庁に対応支持とある。この段階では首相の元には限られた情報しか届いていないはずだから、”よろしく頼む”程度のことしか指示できなかったと想像する。
発災20分後に自衛隊に初動対応部隊が発足している。彼らに最前線の情報を収集するという指示は出されなかったのだろうか。訓練された自衛隊なら、その後に続く救援オペレーションに決定的に重要となる情報を確実に持って帰れただろうに。
その後明らかになったことだが、発生20分後に初動対応部隊を発足させた自衛隊は、翌日午前10時40分には統合任務部隊を1万人規模で編成していたが、待機させられていた。
つまり、誰も任務の指示を出さなかったのだ。
最初、驚いた理由は、表があまりにスカスカだからだが、よく見れば、最初期に最も重要な情報収集というオペレーションが起動していない。国際機関で”レキ”(reconaissance)と読んでいる活動が始まっていないのだ。厳しい訓練を積んだ自衛隊なら、援助機関よりも、そのようなことがはるかに得意のはずなのに。重機を積んだ車両が入っていけると思うのかという人でXが溢れていたが、彼らは手順を理解していないのだろう。レキにそんなものは要らない。別に自衛隊でなくてもいい。軽装備で迅速に動ける経験のある少人数のチームをあちこちに送って、SitRep や写真を送り返すだけで、対応策の作成ははるかに迅速に正確にできただろう。しかし、この表には、最前線の情報を積極的に組織的に収集しようとした形跡はない。それでは、要所の道路封鎖の指示も、道路の修復も、ヘリコプターの利用も遅れて当たり前だ。
要約すると、自衛隊は即座に動ける体制をとっていた。しかし、この国の中枢は指示は出さなかった。そのために、情報収集は遅れ、国民が見守る中で救援は大幅に遅れ、助かる命が助からなかったということだ。
そして、山本太郎氏が動いた。動くしかないだろ。
「この混乱状態も含めて
国会議員に知ってもらいたい。」
「あまりの政府の後手後手に、
命が蔑ろにされている」
電話ではなく、
現場のNPOから直接話を聞くため、
本日、能登半島は能登町に入った。
来週にも国会では災害特別委員会を開くような開かないような、
生ぬるい動きがあるので、
現場の声を、状況を知っておく必要がある。
始発でレンタカーに空きがある駅まで移動し、
能登町に到着したのは午後6時。
役場の駐車場には全国から集まったNPOが
片付けと翌日の準備に忙しい。
雨よけのテントを組み立てていた
全国の被災地で何度も顔を合わせた人たちに混じりながら状況を聞く。
ある避難所では
700人に対する一食の食料配布が
昨日はおにぎり一個だった。
今日、NPOがその避難所に食材を届けたら、
被災者から拍手が生まれ、
「お礼に炊き出しで作ったものをお裾分けする」と、
約束をしてくれたと言う。
被災者自ら料理をすることは気晴らしや
誰かに喜んでもらえるばかりでなく、
温かいものを口にできることは大きい。
避難生活が続けば
お弁当も高カロリーの似た内容が続き、
高血圧や成人病などにもあまり良いとは言えない。
ただお世話をされる立場に被災者をおくと
再び立ち上がる力を奪ってしまう。
積極的に何かをやれる空気作りは、
その後の街の復旧にも大きく影響する、
とこれまで数十もの復興を手伝ってきたNPOの方はいう。
炊事環境がある避難所であれば、これが可能になるが、
その様な避難所は少ない。
そこで自衛隊のキッチンカーの出番だ。
自衛隊は自走式と牽引式キッチンカーを持っている。
その数、合わせて800を超える。
牽引式は約45分のうちに250人分、
自走式は約60分で150人分の炊事を行う
素晴らしい能力を持っている。
2018年西日本豪雨の国会質疑から
この件をお願いし続けているが未だ叶っておらず、
今回は実現したい。
そんな話をしながら彼らの晩ごはんの炊き出しに誘われ
凍える寒さの中、カレーをいただく。
明日は当事者に直接話を聞き、
今、何が必要かをしっかりと勉強させてもらうと意気込み、
車の中で眠ります。
①能登半島に入り能登町、珠洲市をまわって、
当事者の声を約二日間に渡り、様々聞きとりした。
(被災地到着後の説明含む様子は上記)
以下、
総理( @kishida230)
県知事( @hase3655)に提案する。
特に県知事には政府に強く要求いただきたい。
今回、私が事前に、
そして現地でやり取りをしたNPO団体は10近い。
彼らはこれまで様々な災害現場で活動をしてきている。
能登に入る直前まで福岡、佐賀、千葉、茨城、福島、秋田など
全国各地で起こった災害の発災から生活再建に至るまで、
自分の生活を顧みず被災地を支え続ける人たちだ。
政府は、能登半島地震の被害を
どれくらい深刻に受け止めているだろうか。
彼ら(現地で活動する方々)は今回、
能登の災害を、
「東日本大震災の次くらいのレベル」と
受け止めている。
熊本地震も深刻な災害だったが、
熊本は福岡、大分、宮崎、鹿児島に囲まれている。
何かあってもどこかのルートから
確実な輸送が可能になる。
一方で、今回の舞台は半島。
陸路での輸送ルートは限定的。
すでに寸断されている道もある。
そして、
いつ起こるかわからない土砂崩れや雪による倒木などで
新たに道路が寸断される恐れも大きい。
外的要因(外部からの流入)が
様々な搬入のネックと考えるならば、
一刻も早く入り口から制限する以外ない。
【提案◎ 半島の根っこ手前に関所(検問)を置き、交通をコントロールせよ】
住民とその家族、特定の支援団体、
行政・政府関係者、それらから業務委託を受けている業者、
報道など復旧復興に関わる関係者以外は、
一定期間、能登半島への出入りを制限する。
現在、国や行政で行われているのは、
「来ないでください」とのお願いと
与野党国会議員と総理大臣の現地視察を控える申し合わせ、というズレた対応のみ。
これでは本質的な問題は何も解決されない。
今の状況のままでは本来、
ボランティア受け入れは
長期間無理であり見通しは全く立たないはずだ。
ボランティア受け入れに関しては、
半島の根っこの関所で交通をコントロールした上で、
主要駅からシャトルバスを出し、
ボランティアセンターとのピストン輸送を
基本とするべきである。
②に続く↓
②
【提案◎ 大幅増員のプッシュ型支援を】
物資の滞りの原因の全てが、
交通渋滞と説明されているが、
それだけではない。
発災から6日が過ぎている。
すでに様々な集積所、大型避難所には
物資が運び込まれ積み上がっている。
問題は集積された物資を
そこからどう分配するかが、交通整理されていない。
これこそが最大の目詰まりの原因である。
必要なところに必要な物資や支援が届くためには、
誰がどこにいて、何が必要か理解しなければならない。
小規模な避難所や自主避難所(公民館などで自主的に身を寄せ合う)への
配分はすでに始まっているだろうが、これまでの災害でも課題となっていた
更に見えない部分へのカバーを強化する時だ。
避難者としてカウントされる人々は
避難所で避難されている被災者である。
その数に在宅避難、車中泊はカウントされない。
行政からのお知らせを、
「HPでお知らせしています」、とよく説明されるが、
電波やネット環境がない、もしくは不安定であれば、そもそもアクセスが難しい。
在宅避難、車中泊避難では、
健康状態や食事についてのケアも孤立することになりかねない。
例えば、
全国の保健師の方々を1人でも多く被災地に派遣し、
在宅避難者や車中泊避難の方々の状態を把握することが
何より優先させなければならない。
行政からの情報が手に入らない人々が
大勢いる前提に立った運用を大幅な人員増強で行う必要がある。
車中泊ではエコノミー症候群など有名であるが、
寝る際、燃料節約のためエンジンを切る者が多い。
底冷えする中で毛布もなく
凍える被災者を想像して欲しい。
私が短い滞在時間で知っただけでも
家族で二台の車に分かれて車中泊を続ける者。
ペットがいるために避難所を諦め車中泊する者。
幼子の夜泣きなどを考えると避難所を遠慮し車中泊する若い家族などがいた。
眠りは浅く、健康状態を保つことが厳しい上に、
駐車場の空き状況によっては移動を余儀なくされ、
どれくらいの車中泊避難が存在するかを把握することは難しい。
行政からのフォローを受けることも、
行政からの情報発信をキャッチすることも難しくなる恐れがあり、
必要な支援に繋がれる確率も大幅に下がってしまう。
一時的な車中泊避難のための敷地を用意し、
仮説トイレや配食を確実に受け取れる場として、
誰が車中泊避難を余儀なくされているかを行政が知る必要がある。
それと並行して、
早急に車中泊避難を解消するための、みなし仮設への誘導、
またはそれぞれの事情にマッチした新たな避難所の開設
(福祉避難所、ペット同伴可など)を急ぐべきである。
ここ数年で何度か被災したという自治体であれば、
経験が積み上がり有事の仕組みは何とか機能するかもしれない。
でもほとんどがそうではない。
初めての経験である。
被災自治体の職員も関係者も被災者のひとりである。
被災者対応と被災者としての自分を両立させる苦しみを背負わせるな。
その皺寄せは、住民に、被災地の復興の遅れに跳ね返る。
今の時点で24時間寝ていない、
他の職員で2日、3日徹夜状態の人もいるなど、
何人にもの被災自治体職員から直接聞いた。
被災者丸投げに近い復旧復興はもうやめていただきたい。
プッシュ型というならモノだけでなく、
ロジスティックのノウハウ、
それを達成するための人的・経済的リソースを
国が責任持って全面的に支援するべきである。
災害対応に関して、
国や地方自治体などからのリエゾン(応援要員)を
すでに送り込んでいると言われることもあるだろう。
これまでのように、
災害対応一年生の職員を
多く送り込まれても機能しない。
国の防災担当も2年~3年で配置換えとなり
これまでの経験の蓄積ができていない原因となっていることを改める時期だ。
過去に被災経験、対応経験のある腕利きを国や各自治体から多く、
出来る限り各被災町村に長期間派遣するべきである。
(派遣元には人材穴埋めの財政措置が必要なことは言うまでもない)
物はあるのに物がない状態を作り出しているのは、
政府の無責任であり、
それこそが最大の目詰まりの原因である。
プッシュ型とは物資提供だけでないことを
心得るべきである。
③に続く↓
③
【提案◎ ニーズを聞きとるではなく、支援メニューを示せ】
「何をやって欲しいですか?」
パニック状態、
目の前のことで精一杯の状態の時に
そう聞かれても、答えられないのが人間ではないだろうか。
それはいち市民でも首長でも同じである。
明日の家族の食事は?明日の住民への食事の提供は?
頭に浮かぶのは目の前のこととなる。
ニーズを聞き取って対応する、とは聞こえが良い。
でも実は丸投げに近いことを意識していただきたい。
例えば、自衛隊は要望があれば炊き出しを行えます、お風呂を提供できます、
過去には例外的にこのようなこともやりました、
などなど支援メニューを細かく示しながら
被災自治体をバックアップすることはあまり行われていない。
あくまで例として示したが、
それ以外でも細かくメニューを示し、
国の支援の具体を説明、伴走することを求める。
要望がないからやっていない、のではなく、
何ができるか知らないから要望できない、と
理解していただきたい。
被災自治体の首長も被災者の1人である。
長期的視点を持って被災住民のために
職務を遂行していただけるよう
意識して国がサポートするべきである。
【提案◎ いつまでに出来るかの見通しを示せ】
今回聞きとりを行った全ての被災者に、
最後の質問として「政府が一つだけ何でもやってくれると言うなら何を望むか」と聞いた。
この災害で自宅全壊となった者でも
国のお金で自宅を再建して欲しい、
とは言わなかった。
出された要望は、
「水」「食事」「トイレ」「お風呂」「電波」が最も多かった。
控えめで自立心旺盛、我慢強い能登の人々が望んだことは目の前のこと。
加えて、欲しいものは「見通し」であった。
元旦からお風呂に入っていない被災者たち。
いつお風呂に入れるか、
見通しがわかれば待てる、という。
避難所で自前の灯油で暖をとる被災者。
いつ灯油が届くかの見通しがあれば、
節約しながら何とか凌ぐという。
でもそのようなインフォメーションはない。
暗闇の中にいるようだと話されていた。
被災者は無理なお願いを政府にしているのだろうか?
見通しを示してほしい。
現実的で最低限のお願いではないだろうか。
【提案◎ 現場を見ろ。安心させろ】
交通渋滞による物資の滞りを理由に
総理が被災地入りを見合わせるとの報道があった。
国会議員の視察を含めて控えることを与野党でも合意されたと。
それについてどう思うかを被災者に聞いた。
「意味がわからないんですけど」
「どうしてですか?」
「ヘリで来れば良いじゃないですか」
との意見が相次いだ。
総理や政治家が役人からの報告や
テキストだけでわかった気になり
被災地のことを決めていくことへの不安感ではないだろうか。
この極限状態を前に、
現場を自分の眼で見ずに知らずに
政治決定を行えるというなら、
AIが代行すれば良いのではないか?
AIなら裏金問題や
一部の者だけへの忖度も、
権力維持のことしか考えない振る舞いもしないだろう。
一方で、目の前で困っているのは
血の通った人間で、この国に生きる大切な宝だ。
総理の被災地訪問の見合わせに対して、
現場を直接見て、被災者の声を聞いて、
しっかり取り組むと約束をして欲しい、
との声が多かった。
心配するな。国がちゃんとやる、
と能登半島で約束をして、
不安の中にいる能登の人々を安心させていただきたい。
④に続く↓
④
【最悪の事態を想定しているか】
政府は、
この災害が最悪の場合、
何を生み出すことになるか想像できているだろうか。
先述のNPOの方々は、
このままでは、
「熊本地震以上の災害関連死を出す恐れがある」、
と懸念している。
その危機感が政府や永田町にあるだろうか。
発災時期を考えて貰いたい。
東北の大震災は3月。
熊本地震は4月。
春に向かって、もしくは春に起こった災害だ。
能登半島地震は元旦。
これから更に厳しい寒さへ向かう中で起きた災害だ。
能登半島を含む石川県全域が豪雪地帯である。
今日から雪は降り始め、
明日には積雪予想20cmの市町村もある。
降雪、積雪の中、
道路の修復や復旧作業は困難。
加えて、通常時、
除雪作業は地元建設業者なども請け負うという。
除雪作業と復旧作業の両輪を廻せると考えるのは
現実を見ているとは言えない。
(もちろん全国の建設業者を大々的に雇って行うならば可能だろう。
その場合、当然万博は中止、徹底した積極財政で被災地も支える覚悟が必要だ。)
道路だけの話ではない。
報道にあった首長の話で、
市内の9割全壊・半壊、という状態から考えれば、
この時期からの復旧・復興作業は困難と言える。
仮設住宅ができるのはいつになるだろう。
避難世帯分の仮説住宅、その土地を賄うならば、
少なくとも更地にしたあとになるのではないか。
完成はGW?それよりも後だろうか。
その間も避難所での生活を続けるのは無理だ。
すでに衛生環境が良いとは言えず、
ストレスを溜める方々も多く、
避難所によってはインフルエンザが拡大していると聞いた。
トイレ後に手を洗うこともできない避難所が多くを占める。
【提案◎ 広域避難を求める】
地域ごとにコミュニティーを壊さない広域避難が必要ではないか。
仮設住宅が整備されるまでの間(春以降までか)、
半島の外で安全で快適に過ごせる宿泊施設を利用した避難所のプランを早急に実行すべき。
2040年問題(少子高齢化による経済や社会維持が危機的状況に陥る)の
最悪シナリオを現時点ですでに上回った状態にあるのが、
現在の珠洲市であると現地の理学療法士から聞いた。
高齢者はもちろん、
生活をともにする家族を含めて命と暮らしを守るために、
避難所生活を無理に続けさせない大胆な策が今、求められる。
【提案◎ ノウハウある者の雇用・経済的支援を】
正月明けから本格スタートとなった災害対応の初動の遅れ、
これまでの災害対応の蓄積を行なって来なかったことによる対応のマズさ、
復旧・復興作業が滞る厳しい冬の本格化など、
様々な影響により大幅な災害関連死の増に繋がることを
現場で活動するエキスパートのNPOたちが懸念している。
災害省などを立ち上げ、このようなエキスパートを
国が雇用、または活動への経済的支援を100%にするなどし、
そのノウハウの蓄積を始めなければ、毎年増え続ける災害に、
彼らが倒れてしまうのも時間の問題かも知れない。
今も被災地で身を粉にする人々の善意にいつまで甘えるつもりか。
使命感の搾取をいい加減止めなければならない。
何より言葉だけではない危機感と合わせて、
能登半島の被災者や昨年の豪雨被害も含めた
忘れられた被災者対応を行うと、今こそ政治が使命感を持つべき時である。
【最後に◎ いわゆる避難弱者への配慮】
女性や高齢者、障害者、病気がある人、
薬が必要な人に対する緊急的な支援や配慮が必要であることは言うまでもないが、
現場ではそこまでカバーできる状況でないことが気がかりである。
ここにおいてのサポート人員増も絶対的に必要であることは最後に書いておく。
以上、現地から荒削りの文だが、現時点で確認した上で政府に提案し、
県知事にも政府に強く要求していただけるよう要望する。
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