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とうとうケイトリンさんが米中の問題を書かざるを得なくなった。ここには、馬鹿げたデマを真面目に書くという高級紙気取りのNew York Timesが例に取り上げられているが、他の”高級紙”でも同じことだろう。結局は、高級紙というのはタブロイドがコスメティックを施しているだけで、むしろ本物のタブロイドよりも有害な役割を果たしている。
しかし、これが一般大衆を惹きつけ、大きな力を持つのだ。しかも、近頃は「高級紙崇拝」に加えて「AIバカ」がそれに拍車をかけている。海外ではAIがつく嘘が深刻に議論されている一方で、日本ではAIに対する典型的な権威代替依存(authority substitution)が起きている。自分の頭で考える能力が劣化し、”高級紙”や”AI”を権威化して、それが真実だと見なす。つまり、思考を補助する道具が、思考そのものを放棄させる。その逆にRTやCGTNやアルジャジーラのような国営ふうメディアを全て嘘と断定する。つまり、どちらにしても、自分の頭では考えないという認知的オフロードが過剰に起きている。
SNSでは、あまりに大量の妄言がことあるごとに一斉放流され、普通の人々を唖然とさせる風景が日常になったが、これは権威代替依存と認知的オフロード、つまり権威を盲信し、自分で考えなくなった結果、圧倒的な認識的怠惰(epistemic laziness)が集団的に起きているということだろう。
知性の復権が必要だ、などと言うのは簡単だが、その手がかりさえ、今のような状況ではつかめないだろう。しかし、愚かさの津波もやがて勢いを失う時が来る。その時まで、心ある人々が生き延びることを望む。
[原文情報]
タイトル:New York Times Wants The US Military Built Up For War With China
著者:Caitlin Johnstone
配信日:DEC 10, 2025
著作権:こちらをご覧ください。
原文の朗読:こちらで 聴けます。
アメリカが公式に年間軍事予算1兆ドルという初の水準に到達したちょうどその時、ニューヨーク・タイムズ紙の編集委員会は、アメリカが中国との大規模戦争に備えるために軍事費をさらに増やす必要がある、と主張する記事を公開した。
この記事のタイトルは「Overmatched: Why the U.S. Military Must Reinvent Itself(圧倒されつつある:なぜ米軍は自らを再発明しなければならないのか)」であり、念のため言っておくと、これは寄稿論説(op-ed)ではなく“社説”である。つまり、執筆者個人ではなく新聞社そのものの立場を表しているという意味である。

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