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この記事は、表題のトピック以外にもいくつか複数のトピックのコレクションになっているので、それに見出しをつけて下のような目次にした。
目次
- 解説1.トニー・ブレア式奴隷化計画
- Ⅰ. 西側の同情はどこに向かうのか ― 1人の死と57人の死
- Ⅱ. スムード船団の教訓 ― 抑圧と人種の線引き
- Ⅲ. 「トニー・ブレア式奴隷化計画」 ― 偽りの和平とジェノサイドの口実
- Ⅳ. 同じ脚本の繰り返し ― イランへの要求と破壊の準備
- Ⅴ. 虚報の再生産 ― ブティジェッジと西側メディアの責任
- Ⅵ. 非人間化の心理 ― 「殺しても構わない人間」
- 解説 2. subhuman orc creatures(亜人間のオークのような生き物)
この記事の表題になっているのは、イスラエルとパレスチナに関する報道がまったく不均衡にイスラエル擁護に偏向していることのまた一つの事例についてです。これについては、既に一般人の間でも広範に認識されているし、いくつかの実証研究によっても証明されてきました。これらの研究に関しては、下の二つの記事に詳細に解説したので、そちらを参照してください。


IIIの「トニー・ブレア式奴隷化計画」については、おそらく日本ではほとんど報道されていないので、日本の読者には何のことかわからなくても不思議ではないと思います。少し長くなりますが、ケイトリンさんの本文に入る前に、ここでその解説をします。
解説1.トニー・ブレア式奴隷化計画
この記事が書かれた2025年10月当時、英国の元首相トニー・ブレアが米・イスラエル両政府と協議し、「ハマス統治後のガザ再建」構想づくりに関与していると報道されていました。
この「ガザ再建会議」では、ブレアが欧米主導の「治安管理・行政支援」モデルを提案しているとされ、それは2007年以降、彼が中東カルテット(国連・EU・米国・ロシア)特使として推進した“経済開発による安定化”政策と酷似していました。
ケイトリン・ジョンストンは、この動きを「和平」の名を借りた支配構造の再演とみなし、皮肉を込めて “our Tony Blair enslavement plan”(われらがトニー・ブレア式奴隷化計画)と呼んでいるのです。
すなわち、ブレアが象徴する「新自由主義的和平」――
占領を終わらせるのではなく、被占領地を西側の統制下に置いたまま「再建」するという発想――が再び持ち出されつつあることへの批判です。
というのが、トニー・ブレア式奴隷化計画という痛烈な風刺の意味ですが、そもそもトニー・ブレアってどういう人だったのかというところから始めないと分からない点も多いと思うので、これに関しては【Overseas】で別項としてまとめます。
もう一つ、この記事でとても重要なのは、ケイトリンさんがVI. 非人間化の心理について言及していることです。これはイスラエルの行動の根源的な部分に関わるので、最後に解説 2として追加しました。
それでは、どうぞ本文にお進みください。
[原文情報]
タイトル:How Many Palestinian Lives Would It Take To Equal One Western Life? And Other Notes
著者:Caitlin Johnstone
配信日:OCT 03, 2025
著作権:こちらをご覧ください。
原文の朗読:こちらで 聴けます。
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