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この記事の原題 “After Denying Massacring Civilians Seeking Aid, Israel Routinely Massacres Civilians Seeking Aid” を直訳すると『援助を求める民間人への虐殺を否定した後、イスラエルは援助を求める民間人を定期的に虐殺している。』になる。ちょっと長過ぎるので、記事本文を象徴的に表す言葉をとって『死の罠と血の中傷』とした。
ガザ人道財団が援助を配給する場所へ、ガザの住民が援助を求めに行くと、撃ち殺される。これを、ガザの住民は『死の罠』と呼んでいる。
停戦中、400カ所の国連配給網があったのだが、イスラエルは、ハマスが援助物資を盗むからという難癖をつけて、それを全部閉鎖した。その代わりに持ち込んだのが、ガザ人道財団(GHF)という得体の怪しい団体だった。しかし、ガザ人道財団はたった4箇所しか配給場所を設けなかった。しかも、移動困難者(高齢者、障害者、子ども)を排除し、結果的に強制移住(ガザから追い出す)を誘発している。ガザ人道財団(GHF)とは何なのかを簡単にまとめておく。
ガザ人道財団(GHF):
◾️設立と目的:
・GHFは、2025年2月に米国デラウェア州(およびスイスのジュネーブに一時登録)で設立された非営利組織で、ガザ地区の人道危機に対応し、食糧や医療物資などの援助を配給することを目的とする。
・米国政府およびイスラエル政府の支援を受け、従来の国連主導の援助システムを迂回し、4つの配給ハブ(主にガザ南部)を設置して援助を配布する新しいモデルを採用。
・イスラエルは、ハマスが国連の援助を横領していると主張し(証拠未提示)、GHFを代替ルートとして推進する。
◾️運営体制:
・初代執行責任者:ジェイク・ウッド(元米海兵隊員、災害救援団体Team Rubicon共同創設者)は、人道原則(人道性、中立性、公平性、独立性)を守れないと批判して、2025年5月25日に辞任。
・現執行委員長:ジョニー・ムーア(2025年6月3日就任)。トランプ政権の福音派キリスト教リーダーで、イスラエル支持者。国連の批判を「テロリストの嘘」と反論。
◾️資金源:
資金は非公開で、100億円以上の寄付(西欧諸国や非イスラエル系実業家からと主張)が集まったとされるが、具体的な出資者は不明。米国務省はGHFに5億ドル(約750億円)の資金提供を検討中(2025年6月)。
◾️実績:
・2025年5月26日、ラファ(ガザ南部)で配給開始。
・5月27日には8,000食(約46万食分)を配布(ガザ人口230万人の約2%)。
・6月12日時点で1,600万食を配布と主張。
・配給初日(5月27日)に混乱が発生し、イスラエル軍の警告射撃や攻撃で死傷者が出たと報告。
◾️批判:
・国連人道問題調整事務所(OCHA)やユニセフは、GHFの配給が「不十分で危険」と指摘。400カ所の国連配給網(停戦中の実績)と比べ、GHFの4ハブは移動困難者(高齢者、障害者、子ども)を排除し、強制移住を誘発。
・アムネスティ・インターナショナルは、GHFを「非合法かつ非人道的」と断じ、イスラエルの占領責任(民間人への援助提供義務)違反を助長すると批判。
・スイスNGO(TRIAL International)は、資金の不透明性と国際人道法違反の疑いで、スイス当局にGHFの調査を要請。
[原文情報]
タイトル:After Denying Massacring Civilians Seeking Aid, Israel Routinely Massacres Civilians Seeking Aid
著者:Caitlin Johnstone
配信日:JUN 11, 2025
著作権:こちらをご覧ください。
原文の朗読:こちらで 聴けます。
死の罠と血の中傷
今月初め、イスラエルとその擁護者たちは、ガザ人道財団(GHF)の施設で、IDF(イスラエル国防軍)の兵士たちが援助を求める民間人に発砲し、31人を殺害したという主張を激しく否定した。
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