これは思い出の深い一品。
食べるという日常生活の当たり前の一部がとても大きな意味を持っていることを知る。
9. 11 同時多発テロが起こる前のカブールでは、生野菜が手に入るというのはちょっとした事件だった。そんなニュースは瞬く間に小さいExpats community に 知れ渡った。なんだ、なんだとその野菜を見に行く。缶詰・ビン詰め、乾燥食材、冷凍食品だけが何ヶ月も続くと、食べる喜びは忘れる。
生野菜入荷のニュースを聞きつけて見に行くと、ころんとニンニクが一つ転がってたりする。 そこで落胆するようなバカはいなかったと思う。そのニンニクをいかに活用するかについて国際コミュニティの猛烈な議論が始まる。
しかし、他に何がある? 塩とチリ、そしてスパゲティ。 完璧だ。ペペロンチーノができるじゃないか!
塩をドバッと入れてスパゲティを茹でる。ドバッが重要だ。スパゲティに味をつけるのだ。 もちろん、おしゃれな塩があればそれに越したことはないが、なければなんでもいい。
同時に、フライパンにオリーブオイルをドドッと入れて、今日の目玉商品、生野菜のニンニクを入れる。 ドドッはここでも重要だ。このオイルが言わばたれのような役割を果たすことが期待されてるのだから。
そして、パリっパリの乾燥チリをフライパンにぶちまける。ここで追加のニンニクみじん切りを豪華に巻き散らかして、祭りをさらに盛り上げる。
ニンニクが茶色くなり過ぎる前にスパゲティの茹で汁をフライパンに入れる。これが最終兵器のペペロンチーノだれになるのだ。
一生懸命かき混ぜると、白濁してぐちゅぐちゅしてくる。
最後に茹で上がったスパゲティをドバッとフライパンに投下して、火を消し、こねくり回して出来上がり。
これはタイミングが命。スパゲティを茹で過ぎないように時間を調整しながら、フライパン部門を進めないといけない。 手際に自信のない人は、別々にした方が安全かもしれない。 ニンニク一つで大袈裟に喜ぶ能力が生存力と同義であることを学んだのがカブールだった。 めちゃ美味い
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