これが支配階級が決めた普通のことだ

ガザで何が起きているかなんて日本人は知らないという意味のポストを見た。ドブの中の蛙状態なのは分かっているが、それがどれくらい深く、暗く、絶望的なのかは、外にいると正確には判定できない。まったく的外れで、見当違いの国際政治学者や軍事専門家の珍説を目にしてやっと、”かなり酷い”というのが分かる程度だ。

出来ることなら、外の情報を日本国内にも筒抜けにしたい。実際、それが2020年の第一回コロナ感染あがりで初めてよしログ・ライブをやった時から今もテーマの一つになっている。

今回も、Caitlin Johnstone の記事を訳して、筒抜け度を少しでも上げていこうと思う。複合的な要素を解釈し、そこから意味を取り出すというようなやり方のよしログ・ライブと違って、逐語訳をするというのは、AIの力があるとはいえ、他者の意図に忠実であろうとする側面が面倒臭く、あまり好きではないのだが、素材をできるだけ生に近い形で提供するのは、読み手に解釈の自由度を最大限に残すという点では、意味があるとは思う。

他に訳したいもの、訳すべきものは、いくらでもあるが、Caitlin Johnstone の作品を選ぶ理由の一つは、彼女が自分の作品全てを再出版、翻訳、グッズへの使用など、どのような方法であれ、どのような形であれ、自由に海賊版を作るように使ってよいという立場を表明しているからだ。そのおかげで著作権を気にすることなく、僕が今書いているブログのような海賊版を作ることが出来る。

今回訳したのは、This Is What Our Ruling Class Has Decided Will Be Normalという記事です。原ページに行くと、朗読もついているので、ポッドキャストとして聴くことも出来ます。

タイトルは、「これが支配階級が決めた普通のことだ」と訳しました。「普通」よりも「正常」とか「当たり前」の方が原文の趣旨に合っているかもしれないと思いましたが、そこは読み手の皆さんの解釈で適当に読み替えてください。

この言葉自体は、2月25日にワシントンD.C.にあるイスラエル大使館の前で焼身自殺したアメリカ空軍士官アーロン・ブッシュネルのものです。これに関してCaitlin Johnstone が語ってるポッドキャストがあります。

原文では、✔️をつけた箇条書きはありませんが、この部分は全て体言止めのリストになってます。どこがリストになってるか分かりやすくするために、訳文では、リスト部分を✔️をつけた箇条書きにしました。

これが支配階級が決めた普通のことだ by Caitlin Johnstone

アメリカ空軍士官アーロン・ブッシュネルは、ガザでの大量虐殺に抗議して焼身自殺する前に、「これが我々の支配階級が普通だと決めたことだ」という言葉を口にした。それ以来、このシンプルなセリフは、私たちの集合意識全体に響き渡っています。

今、私たちは毎日、アメリカを中央とした集権的な権力同盟と、その悪意ある意志を私たちの世界に貫く帝国管理者たちに関する恐ろしい新事実を学んでいるように思える。なぜなら、それが今後の我々の種の規範となると我々の支配者たちが決めたことであるからだ。

Caitlin Johnstone

「これが我々の支配階級が普通であると決めたことだ」

アーロン・ブッシュネル

PALESTINE ONLINE

ガザ北部で、援助物資の空中投下と、民間人を狙ったイスラエルの空爆が同時に行われている写真。

  • 綿菓子機やバウンシーキャッスルを持ち込んで 、 ガザへの援助トラックの進入を阻止する封鎖に家族向けの楽しい雰囲気を作り出しているイスラエルの “デモ隊 “(訳註1)
  • 自分自身がその死と破壊に直接責任を負っていながら、ガザでの死と破壊がいかに「胸が張り裂けそう」であるかを詩的に語るアメリカ 大統領。
  • この大量虐殺を支持する2人の候補者のどちらかを(大統領に)選ばなければならないと言われている世界最強の国の人々
  • 言論の自由と報道の自由を支持すると主張する帝国について事実に基づいた報道をしたために最厳重の刑務所に収監されたジャーナリスト 。
  • 地球上のあらゆるものが商品と化しているために、魂のない利益を生み出す死の機械に繋がれてた、私たちの生存が依存する生物圏。
  • ワシントンDCとヴァージニアにいる少数の策略家が、アメリカはどんな犠牲を払っても世界の覇権を維持しなければならないと決めたために、互いにハルマゲドン兵器を振りかざしている核保有国の指導者たち。
  • 普通の人々がこれらすべてをまったく問題ないこととして受け入れるよう教導されているマインドコントロールされたディストピア

これが支配者層が決めた普通のことなのだ。

この狂気は、私たちが団結し、断固として反対の決断を下すまで続くだろう。

Caitlin Johnstone

(訳註1)bouncy castlesというのは下の画像のようなもので、日本でもあるだろうと思うが、日本語でどう呼ばれているか分からなかったので、そのままカタカナにした。飢えて死んでいく人のための援助トラックを阻止する光景を綿菓子を食べながら、わざわざ子供用遊戯具を持ち出して見学する人間というのは、もはや人間と呼べるのか、いや人間とはそういうものだということか。

投げ銭

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