小池百合子は、ほぼほぼ確実に当選する。

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小池百合子は、ほぼほぼ確実に当選する。

小池百合子も蓮舫も好きじゃないというのは、よく理解できる。 だから、そういう人たちが他の54人の誰か、田母神俊雄や石丸伸二やその他の候補者を選ぶという動きも理解できる。

しかし、その54人の候補者の誰かが当選する可能性はあるだろうか。理論的な可能性ではなく、現実的な話としては絶対に無いと断言したい。

既に出発点として、小池百合子は蓮舫を大幅にリードしている。小池/蓮舫以外への投票は、その差を固定するだけだ。つまり、蓮舫以外のどの候補者に入る一票も小池百合子を助ける。

東京都民が戦略的に蓮舫に投票するという行動を取らない限り(そんなことはあり得ないだろうが)、小池百合子は確実に当選する。

蓮舫

思い出せば、蓮舫とは長い付き合いだ。いや、付き合ったことはないが、彼女が1988年クラリオン・ガールとしてデビューした頃から見ている。当時、蓮舫を知らない男はほぼいなかっただろう。

しかし、個人的にはクラリオン・ガールと言えば、第一号のアグネス・ラムがピークでそれ以降は下り坂の一途だったと思ってる。たぶん自分の年齢との相関関係もあるから、極めていいかげんな評価だ。男にはやがて悲しき、グラドルなんてどうでもよくなる時代ってものがやってくるのだ、ふつう。ふつうな。

蓮舫は見せるだけのグラドルから喋るタレントになり、彼女の存在の露出は(肢体ではなく)、ニキビ面の男から世間へと大幅に拡張されていった。

正直なところ僕は彼女にあまり良い印象を持っていなかった。それも自分の精神史とか成長史との相関の中にあるのだから、いいかげんな印象だっただろう。

時代は80年代末から90年代初頭だぞ。そこには日本全体が熱病のように浮かされて、お金のない日本人なんて1人もいないと本気で信じられていて、世界一金持ちで優秀な民族だと思い込んでいた日本があった。

個人史上はちょうどその頃、もう日本にはこれ以上耐えられないと思って、脱日を決意した頃だ。そんな風景の中の無数の女性の1人が蓮舫だった。憎悪する理由もないが、何一つ印象に残ることもなかった。

それから10年くらい経って、遠い砂漠や密林のGlobal War on Terror の渦中で、極東の孤島から聞こえてくる懐かしい盆踊りの喧騒のように、蓮舫が政治家になったことを知った。

田母神俊雄

田母神俊雄という名前は、僕の頭の中では長い間、嫌悪する人としてレジスターされていた。しかし、しばしば舌禍事件を起こし、実質的に防衛省をクビになった男の主張には、どこか間抜けさが加味されていることを感じる。

・「ニュークリア・シェアリング・システム」を推す
・クラスター爆弾を擁護 ・「東京裁判は誤りであった」
・「南京大虐殺があったと思い込まされている」
・「集団的自衛権を認めるべき」とする改憲派
・「実際そんなに福島の放射線は危なくない」
・「持続可能な開発目標、ヘイトスピーチ規制、LGBT容認、男女平等は日本弱体化のための罠」
・志願性より弱いから、徴兵制度には否定的。
・選択的夫婦別姓制度導入に反対 ・同性婚に反対
・セクハラ、パワハラ擁護
・国際勝共連合/統一教会のバックアップ
・保育士らによる幼児への逆さ吊りを擁護

ウクライナ戦争をきっかけに、国際政治に関してまったくなんの知識もないインフルエンサーや、芸人や、三流学者や、マスコミ社畜や、その他様々な乞食が一斉にメディアに出てきて討論という名の壮絶な知ったかぶり合戦を展開し始めたのをYouTubeで見ることになったが、そこに田母神俊雄という人が時々出ているのを見て、この人の人気の理由がなんとなく分かったような気がした。

まず、この人は天然なのだ。狡猾な知恵者ではない。思ったことをそのまま言っている。こういう討論という名の茶番の参加者とは実に対照的だ。だから、田母神という人は絶対に政治家になれないだろうと思う。 田母神は自民党を不甲斐ないと思っている。自民党は伝統的に嘘をつき、国民を欺き、はぐらかし、ごまかし、隠し、おまけに強い者(米国)には何も言えない。

田母神俊雄はなんでも思ったことをぺらぺらと喋り、米国の奴隷である立場をよく思っていない。田母神の人気の根源はおそらくそこだろうと思う。

石丸伸二

石丸伸二という人の動画もYouTubeでしょっちゅう上がってくるので10本くらい見たと思う。安芸高田市の市議会議員とのやりとりがほとんどだけど、議員と石丸市長との関係性が終わっていることが全面に出てくる。

議員たちの言ってることが正しいとは思えないこともしばしばあるのだが、それに対する石丸市長がまるで小学生のような対応をするのが強い印象として画面から伝わってくる。この人は人間を知らないんじゃないだろうか。それでは話がどこにも進まないだろうというような発言を石丸市長は平気な顔で、いやむしろ得意気に連発する。

こういう人は政治の場に前近代村落共同体的なウェットな人間関係を持ち込むのかとイキリ立つかもしれないが、そういう陳腐な対立軸に巻き込みそうな教養のなさが彼にはある。全ての個人をrespect して付き合うという近代の最も基本的な合意事項が彼の頭の中にはないのだろう。それがないと議論の場は、あっという間に憎悪の渦巻く場になってしまう。

それでも彼には一定の人気がある。その理由はまさに上に書いたことにあると思う。日本という社会は、局所的例外をのぞいて、いまだに前近代村落共同体的な人間関係で埋め尽くされていると思う。その極端な例が自民党であるだろう。

自民党のような前近代村落共同体的政治にはうんざりだし、その拡大庶民バージョンである日本社会にもほとほと嫌気がさしているという人は石丸伸二に光を見出しているかもしれない。

それは心情的に理解は出来るが、ここは気をつけたい。彼の全身から滲み出る権威主義的な態度が示しているのは、前近代村落共同体的メンタリティに対抗する個人の尊重をフラットに理解する能力の欠落だから。

戦略

田母神俊雄や石丸伸二のファンであるのも良いだろう。でも、彼らに投票するのは、小池百合子を当選させることであるという理解は必要だろう。それを望むなら、回りくどいことをせず小池百合子に投票するべきだ。

まさか小池百合子を当選させるなんて望まないというなら、今回は、戦略的に、田母神俊雄や石丸伸二でなく、蓮舫に投票するしかないだろう。

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