「アジアの日本」シリーズ(1)を2024年3月31日、実施しました。このシリーズは、個人的には一番楽しいかもしれない。あちこち調べてると、ついついのめり込んで細部に溺れがちになる。100年以上前の日本人がアジアのどこかでフランス人の洗濯物をかき集めて必死に小銭を稼いでいたなんて話に拘泥していると、何がなんだか分からなくなってしまう。
帝国主義時代の被抑圧者、帝国の植民地にされた国、その一つとしてのアジア人の目線で見た日本を描くことは日本人に可能なのだろうか?心理テストで使われるような道具を使って、アジア人の日本に対する目線を図示しようとすると、下のような赤い線になった。もちろん僕個人の極めて主観的な見方が反映されているだけなので、客観的事実だなどと主張する気は全くない。
アジアにおける日本の足跡を辿りながら、この赤い線を検証していくのが、このシリーズの主題になる。
感想など
ここは、回答を受け取りしだい随時更新していきます。
休憩後からの参加でしたが、それだけでも興味深く聞かせてもらいました。 質問があったのですが、アジアで数少ない植民地にならなかった日本がほかのアジアの国の期待を裏切ったというような話がありましたが、アフリカで似たようなことは起こらなかったのでしょうか。エチオピアなどはアフリカ諸国との連帯はどうだったのでしょうか。 日露戦争自体がすでに日本が朝鮮半島や満州に足を延ばしているので、ロシアに勝ったことが他のアジアでそこまで高い評価だったとは知りませんでした。続編もまた聞きたいと思います。
N
同化して消滅ということですが、日本人町に住んでいた日本人の末裔がどんな人たちか、わかるようであれば興味深いです。なお、遣唐使が終わってから、明との貿易が始まるまでは空白とは言い切れず、宋との貿易、元との貿易は非公式には続けられていたようです(ライブ終わってからの後付け)。
匿名希望
厳密にいえば、遣唐使の後の短い期間存在した遣渤海使、あるいは日宋貿易や日元貿易もあるということですね。それはその通りです。それは、”鎖国”とはいえ、朝鮮王朝、琉球王国、明朝/清朝、オランダとは交易が続いており、江戸時代も同様でした。但し、遣唐使/遣渤海使以後の日本は、周辺諸国との国交を公式には断絶していたという点で、江戸の鎖国政策に匹敵すると考えました。江戸の場合は、公式の断絶というよりも、公式の大幅制限といえる点で、中国の宋・元時代の日本よりも緩いものだったと言えます。
昨年縁あってハノイへ何度も行っていただけに、非常にタイムリーかつ、かつてないほど未知の情報が多く非常に興味深く楽しめました。 パート2も楽しみです。
Jiro Endo
ありがとうございました。 参考文献を少し読んでみたいと思います。
フエン
率直かつ控えめに言ってとってもとっても面白かったです。
かつて日本人がアジア各地に足跡を残していた(悪い意味でなく)のは正しい海洋国仕草な感じで、それらが鎖国で失われたのが本当にもったいない。もしそれらが続いていれば、日本はこんなにも国際関係に鈍い国ではなかったことでしょう。日本語ももっと国際化していたことだろうし。
海外に生活や活躍の場を求めて出て行った人達は、日本では苦しい生活だったに違いないし、たどり着いた先でも楽ではなかったり、また真っ当な仕事ではなかったり、風土や文化、言葉に至るまで何もかも違うところで、とても苦労したであろうことは想像がつきます。それでも、のちの移民政策(棄民政策に等しい)とは違う、自主的に海外に活路を求めていった勇気や清々しさのようなものを個人的に勝手に感じています。先人達に心からの敬意を表したいです。
「アジアの日本」は日本の国際交流史の側面も大きそうです。これらも、中学高校の歴史の授業でもっと教えたら良いのに、と思うところです。
今回もありがとうございました。
匿名希望
日本の古代
当時の日本人
- 森まゆみ『「五足の靴」をゆくー明治の修学旅行』集英社文庫
- 岸田國士『牛山ホテル(五場)』青空文庫
- 岸田國士『作者の言葉(「牛山ホテル」の後に)』青空文庫
- 河上肇『貧乏物語』
- 大川周明『復興亜細亜の諸問題』中公文庫
- 吉見義明『草の根のファシズムー日本民衆の戦争体験』岩波現代文庫
東南アジア/インドシナ
- 河部利夫『世界の歴史18 東南アジア』河出書房新社
- 小倉貞男『物語 ヴェトナムの歴史』中公新書
- 潘佩珠(ファン・ボイ・チャウ)『ヴェトナム亡国史』東洋文庫
- 牧久『「安南王国」の夢』株式会社ウェッジ
- 放生 漕『続 逆賊の風 インドシナ編』
- 近藤紘一『戦火と混迷の日々ー悲劇のインドシナ』文藝春秋社
- 中田琴子『インドシナ半島史話』東京図書出版
- 古田元夫『東南アジア史10講』岩波新書
小説
- 森村誠一『青春の源流 ⑴〜⑷』角川文庫
- 葉山博子『時の睡蓮を摘みに』(小説)早川書房
- 煌梠伸 『蓮と桜: ベトナム残留日本兵とリエンの日記』高橋書店
3月のLIVEは、「アジアの日本(1)」になります。内容については、下の「Ocean Boulevard」に書いたようなアジアで出会う日本(日本人ではありません)についてです。
昭和初期にアジア全域に進軍した大日本帝国軍の足跡にアジアのどこで遭遇してもおかしくないはずだし、上質の伽羅(きゃら)が欲しくてしょうがなかった徳川家康が始めた朱印船制度もたくさんの日本人を東南アジアに運びました。いったい昔の日本人はアジアのどこで何をしていたんだ?と思いませんか?このLIVEはその疑問を追求する旅のお裾分けです。
次のLIVEは、「アジアの日本」です。このシリーズはこれから続きそうなので(1)としました。日本の近現代史シリーズの(12)でもあります。
実施日:2024年3月31日
実施時刻:午後1時ー3時(日本時間)
参加料:任意。100円から1万円の間で参加者ご自身で決めてください。Communityメンバーは無料。(いつものようにスクリーニングを実施します。SNS上で過去に差別的その他不穏当な発言があった場合は参加はお断りします。参加料は返金しませんので、心当たりのある方は申込されないようにご注意下さい。)
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